当院では、MAST48mix(Ⅰ型アレルギー)、パッチテスト(Ⅳ型アレルギー)というアレルギー検査を実施できます。
アレルギーにはⅠ型~Ⅳ型のタイプがあります。
- Ⅰ型の関与する疾患
- アレルギー性鼻炎、花粉症、蕁麻疹、アナフィラキシーショックなど
- Ⅱ型の関与する疾患
- 自己免疫性溶血性貧血、薬剤性溶血性貧血など
- Ⅲ型の関与する疾患
- 関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)など
- Ⅳ型の関与する疾患
- 接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、移植時拒絶反応など
Ⅰ型アレルギー(アナフィラキシー型)とは
人はウイルスや細菌といった異物が体内に侵入したとき、これらから体を守るための免疫反応を備えています。
アレルゲン(免疫反応を引き起こすもとになる物質)が体内に侵入すると、アレルゲンを食べてバラバラにする細胞がいます。
このバラバラになった一部分を免疫細胞に提示し、そのアレルゲンに反応する抗体(IgE)が作られます。
そして、同一のアレルゲンが体内に侵入し、肥満細胞に結合したIgEと結合すると、ヒスタミンなど(メディエーター)が分泌されてアレルギー症状が引き起こされます。
しかし、本来は害を及ぼさないようなアレルゲン(花粉や食べ物など)に過剰に免疫が反応してしまうと上記で説明したような反応が起こってしまい、アレルギー症状として現れます。
MAST48mix検査とは
- 予約不要、採血のみで実施できます。
- 患者様から血液を採取し、各アレルゲンに対する血中IgE濃度をCLEIA(化学発光酵素免疫測定法)という方法で測定します。
- 1度に48種類のアレルギーの有無を判定できます。
- 検査の結果は1~2週間でわかります。
引用:日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社
費用
症状がある方の場合、保険適用となり、3割負担の場合、自己負担額は6,000円程度の実費負担が発生します。その他に診察料や処方箋料(お薬が出た場合)等が別途かかります。
症状がない場合、自由診療となります。
MAST48mixは株式会社エスアールエルに受託し検査を実施しております。
MAST48mixの詳細はMAST48mix製造販売元:日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社のリンクを参考にしてください。
パッチテストとは?
Ⅳ型アレルギーに対する検査です。皮膚にアレルギーの原因物質と推定される物質を貼り付けて生活をしてもらい、判定日に皮膚にどのような反応が現れるかを検査します。
アレルギー性接触皮膚炎、金属アレルギー、薬疹などの診断に有用な検査法です。
市販のパッチテストを使用して、数種類の検査を同時に行えます。また、持参品の化粧品などに対する検査も可能です。
Ⅳ型アレルギーとは?
Ⅰ型~Ⅲ型アレルギーとは異なり、抗体が関与しないアレルギーです。
アレルゲンに対するT細胞の活性化によって引き起こされる細胞性免疫反応です。
アレルゲンの侵入から24~48時間後にアレルギー症状がでることから、遅延型とも呼ばれています。
当院でのパッチテストの日程
- 火曜に原因物質貼り付け
- 48時間判定(木曜)
- 72時間判定(金曜)
- 1週間判定(火曜)
- 土曜に原因物質貼り付け
- 48時間判定(月曜)
- 72時間判定(火曜)
- 1週間判定(土曜)
パッチテストの注意点
- 事前予約が必要です。
- 判定日に来院が必要です。
- パッチテストを貼ったまま入浴できません。
- パッチテストを貼った部位に汗をかかないようにしてください。
- 強い痒みが発生する場合があります。
- 同意書へのサインが必要です。
費用
保険適用の場合、貼り付け日に初診料と検査料、薬剤料がかかります。また、判定日には再診料がかかります。
【参考文献】片山一郎 他:皮膚科学・文光堂・p42~44、2006